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🧠 今回の脳科学ポイント:RAS(網様体賦活系)

駅の足元から始まる再出発


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 朝の駅のホーム。
 人々の足音が一定のリズムで響き、アナウンスがかすかに混じる。
 佐々木(仮名)は、ぼんやりと足元を見つめていた。

 黄色い点字ブロック。
 オレンジの「7号車」。
 緑の「3号車」。

 毎日、何度も通っているのに、
 こんなにまじまじと見たのはいつ以来だろう。

 「人生って、ほとんど“無意識”で進んでるんだな……」

 そうつぶやいた健斗の声は、誰にも届かず空に消えていった。

 ここ数年、仕事は忙しい。
 資料作成、会議、トラブル対応、納期の山。
 息をつく暇もなく、気がつけば心が乾いていた。

 “何のために生きているんだろう”

 そんな思いが胸に刺さったまま、日々だけが流れていく。

 ある日、疲れ果ててSNSを眺めていると
 「ビジネス脳トレ速読 川崎スクール」の広告が目に入り、
 ふと足が止まった。

 「脳科学に基づく速読?」「集中力アップ?」
 普段なら読み飛ばすはずの言葉が、この日は心にひっかかった。

 無意識で生きている毎日から抜け出したい。
 その思いが、佐々木をスクールの扉へと導いた。

 初日のレッスン。
 インストラクターは明るい笑顔で迎えた。
 「んちゃ!今日は“脳を使いきる日”にしようね!」

 その声だけで、佐々木の表情が少し緩んだ。

 レッスンが始まると、佐々木は驚いた。
 速読はただ速く読む技術ではなく、
 “脳の使い方そのものを変えるトレーニング”だった。

インストラクターはこう説明する。

 「脳には“RAS(ラス)”という装置があります。
 これは、脳が何に意識を向けるかを選ぶ“フィルター”なんです。
 意識を向けた瞬間、脳はそこにある情報を“拾い始める”んですよ」

佐々木は思わず息をのんだ。

 毎日通っている駅の足元を、
 今日ほど鮮明に見たことはなかった。

 人生を変える力は、外側ではなく
 “何に意識を向けるか”──自分の内側にあったのだ。

 その日から佐々木は、レッスンで学んだ通り
 「意識を向ける練習」を始めた。

 脳トレ中は目の動きを速くする。
 文章を読む前に、視野を広げる。
 一文を見たら、“意味をまとめてキャッチ”する。

 すると、ほんの数週間で驚く変化が起きた。

 文章の理解が速い。
 会議で頭が冴える。
 アイデアがポンポン出る。
 仕事のスピードが上がる。

 インストラクターが言っていた
 「意識を変えれば脳は変わる」
 その言葉を、佐々木は身をもって感じ始めていた。

 ある日の帰り道。
 あの駅のホームに立つと、
 足元のラインが前より鮮やかに見えた。

 「未来って、一瞬一瞬の積み重ねなんだな…」

 心の中でそっとつぶやく。

 完璧じゃなくていい。
 泥だらけで、もがいてもいい。
 大切なのは“今日の一歩”を意識して踏み出すこと。

 佐々木は思った。
 「今日をちゃんと生きると、未来って勝手に明るくなるんだ」

 川崎スクールは、ただ速く読む場所じゃない。
 “人生のアクセルを踏み直す場所”だった。

佐々木は胸を張って、電車に乗り込んだ。
 今日という一日を、自分で選び、自分で歩くために。

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🧠 今回の脳科学ポイント:RAS(網様体賦活系)