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思えば、これまでの帰省は少し苦しかった。

新幹線の車窓に映る自分の顔が、少しだけ不安そうに見えたのだ。

亮介さん(仮)は久しぶりの帰省。胸の奥には懐かしさと、ほんの少しの緊張が混ざっていた。川崎スクールでのレッスンが終わったばかりで、脳も気持ちも高ぶっている。だけど実家に帰るとなると、不思議と昔の自分が顔を出すのだ。


「なんで帰るのに緊張するんだろ…」

自問しながら、荷物の中にこっそりしまった速読用メモ帳を握る。


思えば、これまでの帰省は少し苦しかった。

仕事のこと、将来のこと、親戚の視線、比較、期待。

沈黙の瞬間に、自分の未熟さが姿を現すようで、息が詰まったのだ。


だけど今回は違う。

川崎スクールで学んだ新しい“心の矢印”と、

“脳の習性”を知った亮介さんは、

心の準備をちゃんとしていたのだ。


「感じる方向を、自分で選ぶのだ…!」


ふしぎ発見!


脳には、RAS(ラス)という情報の入口を管理するフィルターがある。

脳幹網様体と呼ばれる部分で、

ここは“意識したもの”だけを優先して拾う癖があるのだ。


嫌なものを意識すれば、嫌なものばかり見える。

感謝を意識すれば、感謝が増える。

幸せに目を向ければ、脳は“幸せの証拠集め”を始めるんちゃ!


つまり、幸せは起こるんじゃなく、

“選んで、つくる”ものなのだ。


新幹線の中で、亮介さんは深呼吸をした。

胸の中にたまっていた過去の重たい気持ちに、

そっと優しい風を送り込む。


「今回はね、ただ帰るんじゃない。“幸せを持って帰る”のだ」


駅に着くと、玄関を開けた母が満面の笑顔で迎えてくれた。

その瞬間、胸の奥にあった緊張がすっと溶けていくのを感じた。


夕食が並ぶ食卓。

ありふれたメニュー。

同じ景色。

でも、今日は違う。


いつもの「質問攻撃」が飛んできても、

心の矢印は、自分じゃなく“相手の嬉しい方向”へ。

相手の気持ちを尊重する方向へ。


気がつくと、会話があたたかく流れ始めた。


「帰ってきてくれて嬉しいよ」

その一言が、胸にしみた。


その夜、布団に入りながら亮介さんは思ったのだ。


幸せってね、

環境じゃなくて、

出来事でもなくて、

“心の中で育てるもの”なのだ。


今日をどう過ごすか。

矢印をどこに向けるか。

それだけで、人生は変わる。


「幸せをつくる側の人生にするのだ」


静かな夜に、小さく誓う。


そしてまた明日、

新しい自分に出会いに行く。