スクールブログ

――

『未来を動かすのは、学び続ける意思』

―――

川崎駅から少し歩いた先にある「ビジネス脳トレ速読 川崎スクール」。

その扉を押して入ってきたのは、会社員のタクミ(仮名)だった。

「仕事も家庭も忙しくて…時間がぜんぜん足りないんです。でも、このままじゃ未来が変わらない気がして。」

その声はかすかに震えていた。

仕事に追われ、気づけば一年があっという間に流れている。成長の実感も、自信の手応えも持てないまま、ただ日々をこなしている――そんな焦燥感が滲んでいた。

スクールの代表であるレンコン社長は、静かに座るタクミへ向き合った。

「学びが止まると、未来が止まったように感じるんです。

　でも本当は、未来が止まるのではなく、自分が前へ進む動力を失ってしまうだけなんですよ。」

タクミは目を上げた。

学びが前に進む力になる――そんなふうに考えたことはなかった。

レンコン社長は続けた。

「脳の前頭前野は、未来を考えたり、判断したり、行動を決めたりする司令塔とも言われています。

　そして速読のトレーニングは、この前頭前野を活性化する働きがとても強いんです。」

タクミは興味深そうに身を乗り出した。

「文章を素早く理解しようとすると、脳のワーキングメモリがフル稼働します。

　ワーキングメモリは、脳の作業机のような場所。

　ここが活性化すると、思考が速くなり、情報処理が速くなり、判断力も上がっていく。

　つまり、速読は未来をつくる脳の筋トレみたいなものなんですよ。」

タクミの表情が少し変わった。

諦めかけていた希望のスイッチが、カチッと入るような感覚だった。

「未来を変えるには、才能が必要だと思ってました。でも…違うんですね。」

「ええ。

　才能じゃなくて、脳の使い方と、学び続ける意思です。」

その日からタクミは、通勤前の30分を使ってスクールに通い始めた。

最初の一週間は大変だった。

文字は流れるように見えてつかめず、集中が続かない。

何度も「向いてないのかもしれない」と思った。

けれど二週間が過ぎたころ、わずかな変化が訪れた。

上司の話が頭に入りやすくなった。

資料を読むスピードが少し速くなった。

仕事が終わる頃の疲労感が、なぜか軽くなっていた。

そしてある日、上司にこう言われた。

「最近、お前の判断がやけに的確で速いよな。何かあったのか？」

タクミは照れながら答えた。

「ちょっと、脳のトレーニングを始めてみたんです。」

家に帰って鏡を見ると、以前よりも顔つきが引き締まっていることに気づいた。

「仕事がつまらない」「未来が不安だ」そんな気持ちは少しずつ消え、代わりに今日も前へ進めたという手応えが芽生えていた。

そしてタクミは悟った。

――

未来は止まっていたんじゃない。

学びを止めていた自分のほうが止まっていたんだ。

――

ある日のレッスン後、タクミはレンコン社長に言った。

「僕、これからも学び続けます。未来を止めないために。」

レンコン社長は深くうなずいた。

「学び続ける人だけが、見える景色があります。

　未来は、行動した分だけ変わります。

　そして行動は、学びによって生まれるんです。」

タクミは大きく息を吸い、スクールの出口へ向かった。

その背中は、以前よりずっと強く、暖かい光を帯びていた。

未来は今日も動いている。

学び続ける意思が、そのエンジンを回し続けていた。