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52歳の恵子(仮名)!

川崎駅のホームに立つと、胸の奥が少しきゅっとした。

52歳の恵子(仮名)は、最近ずっとこんな感じだった。仕事では若手が増え、家では子どもが自立し、夫とは会話が減った。大きな不幸があるわけじゃない。だけど、小さな不安とモヤモヤがじわじわ心にたまっていく。


そんなとき、友人から聞いた「ビジネス脳トレ速読 川崎スクール」が気になった。“学び直し”なんて大げさだと思っていたが、なぜか足が向いた。


スクールの扉を開けると、明るい声が響いた。


「今日も来てくれてありがとう!」

インストラクターの声が軽やかに跳ねる。

思わず笑ってしまった。なんだか、初めて来た場所じゃないみたいだ。


レッスン前のあいさつ。

仲間たちが「よろしくお願いします!」と声をそろえる。その瞬間、空気がひとつになった。

懐かしいような、安心するような一体感。


まずは眼筋トレーニング。

目を左右にキーンと動かし、ピント合わせ。最初は少し恥ずかしい。

でも、隣の60代の男性が楽しそうに動かしているのを見て、自然と肩の力が抜けた。


「大丈夫、みんな最初はぎこちないもんね」とインストラクターが笑う。

その“許してもらえる空気”に救われた。


速読レッスンが始まる。

ページをめくる音が静かな部屋にひらりと走る。

読み終えたあと、フィードバックの時間がある。


「恵子さん、前回より視野が広がってますよ」

「読み終えたあとの表情が変わってたよ」


そんな声が心にふわっと染み込む。

誰かに認めてもらう感覚を、いつから忘れていたんだろう。


その日の最後に、インストラクターが話した。


「脳は“可塑性(かそせい)”って言って、年齢に関係なく変わり続けるのだ。

 そして、脳がいちばん変わるのは“仲間と学んでいるとき”。

 ミラーニューロンっていう仕組みで、仲間の頑張りが自分のやる気を引き上げるんだよ」


確かに、隣の仲間が集中していると、自分も自然と背筋が伸びていく。

“やらされる”んじゃなく、“やりたくなる”。

その不思議な感覚に恵子は驚いていた。


レッスン終わり、ひとりの受講生が記録シートを見てガッパ!と声をあげた。


「見てください!文字数が先月の倍になってる!」


みんなが拍手し、その人の成長を自分のことみたいに喜ぶ。

恵子も思わず手を叩いていた。

このあったかい輪の中にいるだけで、胸がじんわり温かくなった。


帰り道。

スクールで使っている「仕組み」が頭に浮かんだ。

・毎回の記録

・フィードバック

・仲間の成長の共有

・習慣化の設計


全部がちゃんと理由があって、積み上がるようにできている。

やる気に頼らない“システム”。

そして、その仕組みを支えるのは、仲間を信じる“文化”。


恵子は思った。


――根性だけじゃ続かない。

――でも、仕組みと文化があれば、人は育つ。


電車に揺られながら、胸のモヤモヤが少しずつ晴れていくのを感じた。


最終駅に着くころ、心の中でそっとつぶやいた。


「ここが、私のチームだ」


未来が少しだけ明るい色に変わって見えた。

根性じゃなく、“循環”で成長する場所。

それが、川崎スクールなのだ。