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『背中が語る教室』

「今日も、全力で行くぞ!」

そう言って教室の扉を開けたのは、川崎スクールのインストラクター、レンコンさんだった。

いつも通りの笑顔。

でも、その目の奥には火が灯っていた!


僕――杉山健太(45歳・営業職・仮名)は、その背中をただ見つめていた。


このスクールに通い始めた頃の僕は、疲れ切ったサラリーマンだった。


売上ノルマ、部下の管理、家庭のこと。

どれも中途半端で、自分が何者なのか分からなくなっていた。


「本、読むのは好きです。でも時間がなくて…」

そう言った僕に、レンコンさんは笑った。


「じゃあ、“時間の見方”を変えよう。速読は“読む技術”じゃなく、“生き方の技術”なんだ!」


最初は意味が分からなかった。

でも、スクールでのトレーニングが進むにつれ、その言葉の重みが変わっていった。


眼筋トレーニング。

眺める練習。

集中とリラックスを同時に味わう不思議な時間。


目を動かすたびに、心が軽くなっていくのを感じた。

「読むスピード」よりも、「生きるスピード」が変わっていく。


ある日、レンコンさんが言った。


「口で教えるより、背中で見せたいんだよ」

その日の彼は、声がかすれていた。

夜遅くまでスクールの掃除をして、翌朝には蓮根畑に出ていたという。


「土と本、どっちも人生を育てるんだ」

そう言って泥だらけの手で本を差し出す姿に、僕は胸が熱くなった。


あの背中が本気で語っていた。

“やるか、やらないか”

“動くか、言い訳するか”

答えはいつも、行動の中にある。


それから僕も変わった。

朝5時に起き、公園を走った。


本を読む代わりに、「心を読む」ようになった。

部下がミスをしても怒鳴らず、「どうした?」と聞けるようになった。


「上司の言葉は忘れても、背中は残る」

この言葉が、今では僕の信条になった。


速読を学びながら、僕は“読む力”より“伝える力”を手に入れた。

それはプレゼン力でも営業力でもなく、“人としての説得力”だ。


数か月後、社内研修で僕はこう言った。


「僕が学んだのは“速読”じゃない。“速く動く学び”です」

会場が少しざわめいた。

けれど、スクールでの仲間の笑顔を思い出すと、自然と声が強くなった。


「人は言葉よりも行動に動かされる。

僕が変わったのは、川崎スクールの仲間と、レンコンさんの背中を見たからです!」


拍手が広がった瞬間、涙がこぼれた。

あの教室で感じた「本気の空気」が、今も僕を動かしている。


帰り道、ふと空を見上げた。

遠くで夕陽が沈む。

その色は、あの日見たレンコンさんの背中の輝きと同じだった。


行動で見せろ。

それが、川崎スクールの教えであり、人生の羅針盤だ。


そして今、僕の背中もまた、誰かの未来を照らしているのかもしれない。


今日も“読むんで動ける脳”で、世界を面白くしよう。