スクールブログ

「部下が動かないのは、命令ばかりしてるからかもしれない」

そう気づいたのは、速読レッスンの真っ最中だった。

川崎スクールの教室で、受講生の佐藤(仮名)はページをめくる手を止めた。

画面の向こうでレンコンさんが笑っている。

「リーダーってね、“読む速度”より“信じる速度”が大事なんですよ」

その言葉が、心にズドンと刺さった。

佐藤は製造業の中間管理職。

毎日、部下たちに指示を出し、期限に追われ、クレームを処理する日々。

「なんで言った通りにやらないんだ！」

「どうして考えて動けないんだ！」

そんな言葉が口癖になっていた。

だが、どれだけ怒鳴っても、現場は変わらなかった。

「命令で人は動かない。信頼で人は燃える」

速読トレーニングの中で、ただ目を速く動かすだけでなく、“心の使い方”も磨かれていった。

川崎スクールの空気は不思議だ。

誰も人を責めない。

「大丈夫、次はきっとできるよ！」

「昨日より1ミリでも進んだね！」

そんな声が自然に飛び交う。

最初は照れくさかった。だが、繰り返すうちに、佐藤の中の「疑い」が少しずつ「信頼」に変わっていった。

ある日、スクールの仲間に言われた。

「佐藤さん、いつも誰かを守ってる顔してるね」

その瞬間、心の奥が熱くなった。

“あぁ、俺は本当はみんなを信じたいんだ”――そう思えた。

会社に戻ってから、佐藤は試した。

「お前ならできる」

それだけを伝えて、部下に任せてみた。

最初は不安でたまらなかった。

失敗したらどうしよう。でも、彼はやり遂げた。

「佐藤さん、あの時“信じてくれて嬉しかった”です」

その言葉に、胸が震えた。

それからというもの、職場の空気が変わった。

失敗しても笑い合える。

小さな成功をみんなで喜べる。

気づけば、以前よりもずっと成果が出ていた。

「速読って、本を速く読む技術じゃなくて、心の解像度を上げる学びなんだな」

そう感じた。

レンコンさんの言葉が蘇る。

「“伸びない部下”なんていない。“信じる力”が足りないだけなんです」

今、佐藤はその言葉を自分のチームで証明している。

命令ではなく、信頼で動くチーム。

結果ではなく、成長を讃える文化。

その始まりは――一冊の本を速く読む練習の中で、自分の心を“ゆっくり見つめた”あの日だった。

ページを閉じた佐藤は、静かに笑った。

「人は変えられない。でも、信じ抜けば、変わるのは“自分”だ。」

そして今日も、川崎スクールの仲間たちはページをめくる。

速く読むほど、深く信じるために。

未来を、速読しながら読み解きながら進もう。