川崎スクール
2025.11.20
思えば、これまでの帰省は少し苦しかった。
新幹線の車窓に映る自分の顔が、少しだけ不安そうに見えたのだ。
亮介さん(仮)は久しぶりの帰省。胸の奥には懐かしさと、ほんの少しの緊張が混ざっていた。川崎スクールでのレッスンが終わったばかりで、脳も気持ちも高ぶっている。だけど実家に帰るとなると、不思議と昔の自分が顔を出すのだ。
「なんで帰るのに緊張するんだろ…」
自問しながら、荷物の中にこっそりしまった速読用メモ帳を握る。
思えば、これまでの帰省は少し苦しかった。
仕事のこと、将来のこと、親戚の視線、比較、期待。
沈黙の瞬間に、自分の未熟さが姿を現すようで、息が詰まったのだ。
だけど今回は違う。
川崎スクールで学んだ新しい“心の矢印”と、
“脳の習性”を知った亮介さんは、
心の準備をちゃんとしていたのだ。
「感じる方向を、自分で選ぶのだ…!」
ふしぎ発見!
脳には、RAS(ラス)という情報の入口を管理するフィルターがある。
脳幹網様体と呼ばれる部分で、
ここは“意識したもの”だけを優先して拾う癖があるのだ。
嫌なものを意識すれば、嫌なものばかり見える。
感謝を意識すれば、感謝が増える。
幸せに目を向ければ、脳は“幸せの証拠集め”を始めるんちゃ!
つまり、幸せは起こるんじゃなく、
“選んで、つくる”ものなのだ。
新幹線の中で、亮介さんは深呼吸をした。
胸の中にたまっていた過去の重たい気持ちに、
そっと優しい風を送り込む。
「今回はね、ただ帰るんじゃない。“幸せを持って帰る”のだ」
駅に着くと、玄関を開けた母が満面の笑顔で迎えてくれた。
その瞬間、胸の奥にあった緊張がすっと溶けていくのを感じた。
夕食が並ぶ食卓。
ありふれたメニュー。
同じ景色。
でも、今日は違う。
いつもの「質問攻撃」が飛んできても、
心の矢印は、自分じゃなく“相手の嬉しい方向”へ。
相手の気持ちを尊重する方向へ。
気がつくと、会話があたたかく流れ始めた。
「帰ってきてくれて嬉しいよ」
その一言が、胸にしみた。
その夜、布団に入りながら亮介さんは思ったのだ。
幸せってね、
環境じゃなくて、
出来事でもなくて、
“心の中で育てるもの”なのだ。
今日をどう過ごすか。
矢印をどこに向けるか。
それだけで、人生は変わる。
「幸せをつくる側の人生にするのだ」
静かな夜に、小さく誓う。
そしてまた明日、
新しい自分に出会いに行く。
